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長勝寺
(せきせいざん ちょうしょうじ)

日蓮宗   石井山長勝寺    創建  弘長三年(1263年)   開山 日蓮大聖人

本尊  法華三昧堂 日蓮大聖人像 

かまくら子ども風土記(上巻)P135〜P136
  長勝寺  
    安国論寺前から横須賀線の線路に出てこれを渡ると長勝寺があります。
  日蓮上人は法華経を広めるために、鎌倉にやってきました。松葉ガ谷(今の大町)の石井長勝という人の屋敷のそばに草庵を造り、毎日そこから町の辻へ布教
のため出かけていったそうです。
  文応元年(1260年)八月のある日、日蓮は草庵に集まった信者に法話をし終わり、一同が帰った後静かに読経をしました。夜もふけたころ、机に寄りかかってとろとろと眠っていると、白い猿が三匹、どこからともなく現れ、上人の衣にすがり、袖を引いて表の方へ引き出そうとします。上人は引かれるままに表へ出て歩き始めますと、大きな洞窟の前に出ました。そのとき、ふもとの庵の方で割れるような喚声とともに、たい松の火が二十、三十とちらついて見えました。何事かと思う間もなく、草庵に火をつけられたらしく、火の手はたちまち燃え上がり、人々の叫び声が手にとるように聞こえてきました。洞窟の前に立ってこのありさまを見ていた日蓮は、猿の手をとって洞窟の奥深く入りました。この事件は松葉ガ谷の焼き討ちといわれていますが、災難から日蓮を救った白い猿は帝釈天の使いだといわれています。正しいことを教える日蓮に、正しさを守る仏が味方をし、白い猿を使わしたのだろうといわれています。
  後に石井長勝が自分の屋敷を日蓮に差し上げました。それが現在の長勝寺だといわれています。先に述べた話でわかるように、ここは帝釈天出現の霊場として知られた寺です。現在、立派な帝釈堂に帝釈天がまつられています。また、法華堂は室町時代の建立といわれる立派な建物で、日蓮上人像を安置しています。裏山には高村光雲作の大きな日蓮上人の像が立っています。
 
         


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