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辻薬師堂
(つじやくしどう)
かまくら子ども風土記(上巻)P137〜P138
   辻の薬師  
     大町の四つ角から南に少し行くと横須賀線の踏切にでますが、そのそばに薬師堂があります。これを辻の薬師と呼んでいます。この薬師堂は源頼朝が、建久元年(1190年)に東光寺を建立したときには、その寺境内にあったというのです。東光寺は山号を医王山といって、二階堂の、現在の大塔宮あたりにあり、その牢に護良親王を幽閉した事件の後、薬師堂は宝永元年(1704年)に大町の名越三(御)嶽に移されました。三嶽は松葉ガ谷の東方の名越の切通しの旧道に沿った所で、そこに移ってからは長善寺という寺の中にありました。長善寺は真言宗で、伝えられるところによると、奈良時代の神亀年間(724年〜729年)、鎌倉の豪族由比長者の染谷太郎時忠が建てたということです。江戸時代の古図では妙長寺の北にありますが、後に焼けて廃寺となり、薬師堂だけのこっていたのを、現在の大町に移しました。
  本尊は行基の作といわれますが平安時代の薬師如来で、約1.8メートルあります。その他、日光・月光菩薩、鎌倉時代の十二神将などがあります。また、薬師如来の体内に、薬師如来と十二神将は東光寺のものであったという銘札があり、また室町時代の大般若経が納めてありました。
  十二神将は薬師如来を守護する神です。昼夜を十二時に分けて、それぞれ子の時刻を守る神は頭の上に鼠の形を、丑の時刻を守る神は頭の上に牛の形を、というように十二支の形がそれぞれの神の頭についています。十二支というのは鼠(子)、牛(丑)、虎(寅)、兎(卯)、竜(辰)、蛇(巳)、馬(午)、羊(未)、猿(申)、鶏(酉)、犬(戌)、猪(亥)です。今は年で十二支を使っていますが昔は時間を数えるのにも使いました。
 
             
長勝寺を背景に横須賀線が側を走る

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