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補陀洛寺
(ふだらくじ)

真言宗大覚寺派   南向山帰命院補堕洛寺    創建  養和元年(1181年)   開山 文覚上人

本尊  十一面観音菩薩

かまくら子ども風土記(上巻)P180〜P182
   補陀洛寺  
     補陀洛寺は南向山帰命院といい真言宗の寺です。開山は文覚上人で、養和元年(1181年)頼朝の祈願所として七面伽藍が建てられ、大きな寺でした。その後だいぶ荒れてしまいましたが、文和年間(1352年〜1356年)鶴岡八幡宮の頼基律師の力で復興しました。  この寺は竜巻寺ともいわれるように、竜巻にあったこともあるし、火災にもあっていますので、寺の歴史を書いたものがなくなり、詳しいことがわからないのが残念です。寺に伝わっている数多くの貴重な品の中に次のようなものがあります。
  本堂の不動明王は平安時代の天台宗の高僧、智証大師が作ったと伝え、あるいは平家を倒すために彫ったともいわれています。また、行基作と伝える薬師如来
、運慶作と伝える日光菩薩・月光菩薩、弘法大師作と伝える地蔵などがあります

  また文覚上人が書いたと伝える頼朝の位牌もあります。
  なお、頼朝の自作と伝えられる頼朝の木造や、これも自作と伝える文覚上人の像は、那智の滝で荒行したときのものだということで、高さ十八センチメートルの木彫りの裸像です。その他珍しいのは平氏の赤旗です。文治元年(1185年)三月、平氏は壇の浦で滅びました。総大将の平宗盛が最後まで持っていたのがこの旗だったということです。源氏はこの旗を鎌倉に持ち帰り、頼朝に献上しました。それを頼朝は補陀洛寺に奉納したのだということです。旗には「九万八千軍神」と書いてあります。
  本堂の入口には十一面観音をうたった次の歌が掲げてあります。

  みほとけの  ちかいもふかき  うなばらの  ひろき世にしく  慈悲のおしえは
 
         

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