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元八幡
(もとはちまん)

かまくら子ども風土記(上巻)P175〜P176
  元八幡   
    水道道(すいどうみち)回りのバスの停留場「元八幡」から小道に入ると、元八幡と呼ばれる神社があります。治承四年(1180年)十月、源頼朝は八幡宮を現在の場所に移したのですが、それまではこの位置にあったのです。
  源氏の系図を見ると、清和天皇から五代目の子孫に頼信というひとがあり、その子頼義、孫の義家と、続いてすぐれた武将が出ています。頼信は京都の岩清水八幡を大変信仰し、源氏の氏神としていました。それで孫の義家も十三歳のとき岩清水八幡の神前で元服し、八幡太郎義家と名のりました。頼信の子頼家は相模守となり、その後奥羽地方でそむいた安倍氏を義家とともに滅ぼしました。
  康平六年(1063年)八月に、頼家は氏神である岩清水八幡宮を鎌倉由比郷の鶴岡に移して鶴岡八幡宮としました。これが元八幡で源氏と鎌倉のつながりができた初めです。
  元八幡には、大きないちょうの木に囲まれたし朱塗りの小さいお宮があります。小じんまりした神域からは、数百年前このお宮に参詣したであろう源氏の素朴な姿がしのばれて、奥ゆかしい感じに打たれます。
  昔は由比ガ浜が滑川の下流からこのあたりまで湾入していたといいますから、八幡宮は海岸近くにたてられたのでしょう。
 
 
         

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