左義長神事
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古来わが国では、お正月に家々を訪れた歳神(としがみ)様が、 一月十五日の未明にはお帰りになると信じられて来ました。 左義長神事はその神々を送る火祭りです。 鶴岡八幡宮の左義長神事は、家々から持ち寄られたしめ飾り・ 松飾りの類を源氏池湖畔の祭場で円錐形に積み上げ、斎火(いみ び)をもってお焚き上げ致します。 神事の起源については諸説ありますが、「徒然草」等には宮中で 「三毬杖(さぎちょう)と言う火祭りに関する記述がみられ、鎌倉 時代には既に行われていたようです。 左義長は、宮中や神社の境内に限らず、一般に広場や畑、橋の袂 などでも行われますが、湘南地方では海岸で行われるものがよく知ら れています。お焚き上げの火を「どんどや」と囃すことから「どんど焼き」 「とんど焼き」等と称し、その火で餅や団子等を焼いて食べると病気に かかる事もなく達者で過ごすことが出来、左義長の火に身体を当てる と若返るとも云われています。 この様に左義長は、地方毎に固有の特色を有する民間の習俗とし て伝承されてきた年中行事であり、鶴岡八幡宮の左義長もこれを受け 継ぐものであると云えましょう。 様々な伝統行事が消えつつある中、素朴な先祖のこころを語り継ぐ ものの一つとして大切に守り伝えたいと思います。(鶴岡八幡宮社務所) |